優秀賞 化学工学会会長賞
 
「りんごジュースの秘密」
 
元濱 奈穂子 大阪教育大学教育学部附属池田中学校2年
塩酸と石灰石で二酸化炭素が発生する。これは、小学生の頃に習っ
ていたので知っていた。が、私は中学生になってから新しい二酸化
炭素の発生のさせ方を知った。酢とふくらし粉である。私は、台所
にあるような物で気体を発生させられることに驚いたが、それと同
時に、石灰石は大変強い酸性である塩酸とでないと二酸化炭素を発
生させないのに、なぜふくらし粉は飲むこともできるような酢で発
生させられるのだろうという疑問をもった。

私は、もしかしたらふくらし粉は、他の弱い酸性の水溶液とでも二
酸化炭素を発生させられるのではないかと考えた。

この私の予想が、正しいかどうかを確かめる機会があった。

中一の三学期、各班でそれぞれ計画書を作成し、それに沿って実験
をするという授業があった。テーマは「気体を発生させよう」だっ
た。

私の班は、酢とふくらし粉の実験をすることになった。その時、忘
れかけていた自分の疑問と予想を思い出し、班員に、他の酸性の水
溶液でも実験してみようと提案してみたところ、全員が賛成してく
れた。そして、話し合った結果、その水溶液は果物ジュースがよい
のではないかという結論に至り、その代表として百パーセントのり
んごジュースを使うことになった。

班員それぞれが家から、ふくらし粉、酢、りんごジュースを持ち寄
り、実験が始まった。
三角フラスコにふくらし粉と酢を入れ、ガラス管ゴム管付きゴム栓
を取りつけ、試験管に気体をためた。この時は水上置換法を使った。
次に、酢をりんごジュースにかえて実験をした。

するとびっくり、りんごジュースのときも、酢のときと同じように
フラスコの中で激しく泡が立ち、何やら気体が発生している模様だ
った。フラスコの底を触ってみても、両方の場合で同じように熱く
なっていた。

りんごジュースの場合は気体が発生するかがよく分からなかったの
で、これを見て私の班はみんな感動したが、それが二酸化炭素であ
るかどうかははっきりしないため、気体をためた試験管に石灰水を
入れて確認をした。
石灰水は、酢の場合も、りんごジュースの場合も同じように白くに
ごった。ふくらし粉とりんごジュース、つまり、酢以外の弱い酸性
の水溶液でも、二酸化炭素を発生させられることが、分かったので
ある。

私は、本当に二酸化炭素が発生したことに驚いた。そして、あるこ
とを考えた。

今、資源の事で色々と問題がある。例えば、電気。現在一番発電量
の多い火力発電に主に使用されている石油はいずれなくなってしま
うからピンチだとか、かと言って原子力発電は危険だとかという色
々な問題があるが、わざわざ石油を使わなくても、私達の身近にあ
るゴミなどを燃やす際の火力で多少は補えるかもしれない。あるい
は、今現在ない発電の方法が、これから私達の身近な物から生まれ
てくるかもしれない。

この実験で、夢が広がったような気がする。身近な物や、教科書に
載っていない結果、考えなどを馬鹿にせずに、それが何か地球のた
めに役立てられないかを考えていくことが二十一世紀はより一層必
要になってくると思う。そして、私もそんなことを考えられる人間
になりたいと思った。