優秀賞 日本化学会会長賞
 
  「グレープフルーツの皮の不思議」
 
福永 美紀 福岡県北九州市立小倉日新館中学校3年
グレープフルーツの皮をむいて食べ、広告紙に包んで捨てようとし
たら、印刷のインクが溶け出して手にうつり、手が汚れた。グレー
プフルーツの皮に含まれる液体がついたら、印刷面が溶けてきたよ
うに見えた。グレープフルーツの皮の中に、このように、インクを
溶かし出す成分が含まれているのだろうか。水に強くて、何にでも
書ける油性のサインペンでその事を確かめてみることにした。まず、
油性サインペンでグレープフルーツの皮に線を書いてみる。表面を
すべってしっかり書けず、その線が手にうつった。グレープフルー
ツの表面を布で拭くと油性サインペンの線が消えてしまった。他の
果物ではどうなるのだろうか。グレープフルーツと同じカンキツ類
であるオレンジやレモン、その他に、リンゴ、スイカ、バナナ、キ
ウイフルーツなどで試してみた。それぞれの果物の皮に油性サイン
ペンで線を書き、布で拭いて、その線が落ちるのかを調べた。結果
は、グレープフルーツと同じカンキツ類であるオレンジやレモンの
表面に書いた油性サインペンの線はほとんど落ちてしまった。リン
ゴに書いた線は布で強くこすると少し薄くなった。スイカ、バナナ、
キウイフルーツに書いた線は全く落ちなかった。

次に、カンキツ類の皮を使って、油性サインペンを落とすしくみを
調べようと思った。プラスチックの下敷きに、油性サインペンで線
を書いたものにグレープフルーツ、オレンジ、レモンの皮を折り曲
げて皮に含まれる液体を絞り出してかけ、布で拭いてみた。ゴシゴ
シ拭いていると線は消えてしまった。この、皮に含まれる液体をか
けて、しばらく放置した後、布で拭きとった方が、油性サインペン
の線が簡単に落ちた。こちらは、油性のインクと液体とが混じり合
って浮き上がってきたように見えた。カンキツ類の皮の表面の様子
をよく見ると小さな粒があり、その一粒一粒に油性サインペンのイ
ンクを溶かし出してしまう成分の液体が含まれているようだ。本で
調べてみると、この液体にはテレビン(テレペン)系の油が含まれて
おり、昔から油性の汚れ落としのために使われているということだ。
ということは、洗剤としても使えるのだろうか。私は、試しに、台
所のガスレンジのまわりの油汚れをグレープフルーツの皮でこすっ
てみた。すると、きれいに落ちた。油汚れだけでなく、シンクや蛇
口のくすみもとれてピカピカになってびっくりした。

また、このテレビン(テレペン)油は、油絵の具の溶剤としても使わ
れているものであるそうだ。果物のカンキツ類の皮と画材の材料と
して使われるものと同じ成分が含まれているのには驚いた。

グレープフルーツを食べていて、ふと気がついた疑問を、調べてみ
て、いろいろなことがわかった。