「救世主さくらんぼ」
「チェリーと太陽光で発電できる?!」
平松 宏介 大阪教育大学附属平の中学校3年
それをTVで見たのは、約半年前。よくある「果物電池」の類だろう
とぼくはそれを甘く見ていました。しかしそれはぼくが考えていた
以上にすごいものでした。慌ててビデオに録画し、また学校でそれ
について研究しようと思い、事は始まりました。
それは太陽電池の一種らしく、「色素増感太陽電池」というのが
正式名称。ぼくはその材料を見た瞬間、TVの方に身を乗り出し目を
見張ってしまいました。普通、太陽電池というと作るのは大変難し
く、シリコンの結晶でできているあの高価で青黒い物を想像します。
しかしそれとは違い、なんと材料に、「アメリカンチェリー」があ
ったのです。「ほんまにそんなんでできんのかなあ・・・?!」と
半信半疑でした。しかし、画面に近付いてよく見てもあれは正しく
本物のアメリカンチェリーでした。そしてTVはどんどん進み、「
あ」という間に完成してしまったのです。しかも、25cm×30
cmくらいの大きさでモーターに付けたプロペラを力強く回せるくら
いの電力があるのです。番組が終わってからもまだ感動は覚めず
「日ごろ食べていたあのアメリカンチェリーで太陽電池があんなに
簡単に作れるなんて・・・それに環境にまで優しいとは。」とあっ
けにとられていました。
いつのころからか物作りと理科の大好きなぼくは、それを作りた
くてたまらなくなりました。しかしTVではあまり詳しくやっていな
かったのでまずは、それについて調べることから始めました。でも
思っていた以上に資料や情報がなく困っていましたが、その番組を
ビデオに録画していたおかげで、研究している人の名前や、どこの
大学かなど知ることができ早速メールで問い合わせてみました。返
事が返ってくるか多少心配していましたが、その心配は不要でした。
それから何回かメールお話しているうちに「ではまたこちらの方に
来て下さい・・・。」ということで作り方などを教えてもらうこと
になりました。
当日、阪大にある柳田研究室を訪ね、色素増感太陽電池の長所、
短所、チェリーを使う理由、その他たくさんのことを聞き、作り方
も教えてもらいました。作り方に関してはビデオと実演を見ながら
で、前TVで見た所は簡単だったのですが、それまでの下準備の段階
がとても大変で、思っていたよりも難しそうでした。それを見ると、
「本当にできるのかなあ・・・。」と少し不安になってしまいまし
た。けれでも、学生さんが言うには材料さえ揃えば小学生にでもで
きるということらしいのでがんばって作っていきたいと思います。
環境問題が叫ばれている今、この色素増感電池はその面でたいへ
ん良い所を数多くもっています。例えばそれは、コスト面。シリコ
ン型に比べ大量生産すると格段に安上がりということなのです。そ
れにこの電池はシリコン型もそうだけど、捨てても環境に悪影響は
出ないうえ、燃料はいらず太陽光エネルギーがある所ではどこでも
使え、しかもCO2を一切排出しません。もっと驚いたのは、この電
池はポリフェノールを含む物(例えばチョコレートやお茶)をチェ
リーの代わりに使用してもいいのだそうです。これは正に新しいク
リーンエネルギーです。
それを使った新しい発電装置をぼくは考えてみました。まず第一
に24時間使用可能な太陽電池です。太陽がない夜でも大丈夫。蛍
光体を中に一緒に挟みこむのです。しかしその蛍光体は人工のもの
ではなく「ホタル」「ホタルイカ」「ホタルミミズ」「ヤコウダ
ケ」といった自然のものを使うのです。そうすることにより、もっ
と環境に優しく、クリーンなエネルギーを24時間作り出せると思
います。第二にパラボナアンテナ太陽電池です。これにより、一度
の光を効率よく電気に変換することができると思います。仕組みは
簡単に言うと、パラボナアンテナの曲面(電波を反射する面)に太
陽電池を貼り付け、電波を受ける所には反射鏡を付けるのです。
〈上図〉環境問題が深刻化する中、日本も今よりもっとクリーンエ
ネルギーや環境汚染について考えていくべきだと思います。大阪の
高速道路の下の植物などは、気孔が排気ガスによりたくさん詰まっ
てしまっています。大阪の花「キョウチクトウ」は気孔にゴミが詰
まりにくい特殊な形をしていましたが、このままだといずれほとん
どの植物が枯れてしまうと思います。「汚したら綺麗にする」当た
り前のことです。色素増感太陽電池、その他のクリーンエネルギー
をこれからの日本は積極的に取り入れなければならない時だとぼく
は思います。