金属はなぜさびる?

鉄や銅、アルミニウムなどの金属を空気中に置くと、やがてその表面から金属特有の光たくが失われる。これは表面にさびができたからなんだね。ではどうしてさびができるんだろう・・・。

たしか、ある物質と酸素が化合することを酸化というんだったよね。金属のさびも、この酸化という化学反応によってできているんだ。

そのいちばんよい例が、キミもよく知っている鉄の赤さびだ。鉄の赤さびは、鉄と空気中の酸素と水分とが反応してできたさび(酸化鉄)で、これはそのまま長いあいだほおっておくと、表面から内部へしだいに進行していって、ついには鉄全体をぼろぼろにしてしまう性質のさびなんだ。

でも金属のさびは、このような性質のものばかりではないんだ。たとえば同じ鉄の場合でも、黒さびといって、鉄を空気中で強く熱して酸化させたきめの細かいさび(四三酸化鉄)は、赤さびとは逆に、鉄の表面を膜のようにおおって、内部がそれ以上さびないように保護する性質のさびなんだ。

黒色をした鉄びんやフライパンがさびにくいのは人工的につけた黒さびのためだったんだね。

左から銅の赤さび、黒さび、緑青
左から銅の赤さび、黒さび、緑青

銅のさびも1種類だけではない。空気中の酸素と化合した赤っぽいさび(酸化第一銅)、空気中の水分と二酸化炭素などが反応した緑色のさび(緑青(ろくしょう))、空気中で強く熱して酸化させた黒色のさび(酸化第二銅)、などがあり、これらのさびもまた、表面を膜のようにおおって、内部を保護する役目をしているんだ。

アルミニウムも空気中ではすぐに酸化して、表面に白っぽいさび(酸化アルミニウム)の膜ができる。これも内部を保護するさびで、これを人工的につけたのが、アルミサッシや食器などに使われるアルマイトなんだ。

これらの例から見ても、金属のさびは、金属の種類やそのできかたによって、じつにさまざまだということがわかるね。

赤さびと黒さび
赤さび・黒さび
 
さびやすい金属とさびにくい金属

金属のさびは、その金属が酸化されることによってできるんだったね。酸化とは、もともとは字のとおり、ある物質と酸素とが化合することをいっていたんだけれど、現在は、物質を構成している原子から、いくつかの電子がとりさられることと考えられているんだ。

キミも知っているとおり、すべての物質は原子という、非常に小さいつぶが集まってできているんだったね。

原子はさらに、プラスの電気をもつ原子核と、そのまわりをまわる、マイナスの電気をもついくつかの電子からできているんだけれど、ふだんは原子核のもつプラスの電気量と、電子のもつマイナスの電気量は同じなので、たがいに打ち消しあって、原子は電気をおびていない中性の状態になっているんだ。

ところが、中性の原子からいくつかの電子がとりさられると、その原子はマイナスの電気量が減ってプラスの電気をおび、反対によそから電子がつけ加えられると、その原子はマイナスの電気量がふえてマイナスの電気をおびることになるんだ。

このように、原子がプラスまたはマイナスの電気をおびたものをイオンといい、このうち、プラスの電気をおびたものを陽イオン、マイナスの電気をおびたものを陰イオンとよんでいるんだ。

前にもいったとおり、酸化とは原子から電子がとりさられることだったよね。つまり、原子が陽イオンになるということなんだ。金属原子には、じつは陽イオンになりやすい性質があり、これを金属のイオン化傾向といっているんだ。この傾向は金属の種類によってちがうことが、実験によって確かめられていて、傾向の大きいもの、つまり陽イオンになりやすいものから順にならべたものが金属のイオン化列(表参照)といわれるものなんだ。

金属のイオン化列表
金属のイオン化列表

これでわかるとおり、さびやすい金属とさびにくい金属とのちがいは、その金属のイオン化傾向が大きいか小さいかのちがいであり、イオン化傾向の大きい金属ほどさびやすいということなんだね。たとえばアルミニウムと鉄とでは、アルミニウムのほうがさびやすいということなんだ。でも、アルミニウムの白っぽいさびは、前にも説明したとおり、内部を保護するさびだから、見た目ではアルミニウムはさびないようにみえるんだよ。

 

ホカホカかいろのしくみ
ホカホカカイロのサンプル

「ホカホカかいろ」のひみつは、なかに入っている鉄粉にあるんだ。つまり、鉄が空気中の酸素と化合して、さびるときに出る熱を利用しているんだね。鉄粉ならば表面積も大きく、それだけさびる速度がはやくなり、そのときに出る熱でちょうどよい温度になるんだね。