さびを防ぐ

台所の流しやほうちょう、電車の車体や工場で使う装置など、さびては困るところにはばひろく使われているステンレスとは、いったいどんな金属なんだろう・・・。

ステンレスは鉄にニッケルとクロムを加えた合金で、正しくはステンレス・スチールまたは、ステンレス鋼といい、「さびない(はがね)」という意味の名前なんだ。

これにはいろいろの種類があるんだけれど、鉄に18%のクロムと8%のニッケルを加えた、18−8ステンレス鋼と、鉄に13%のクロムだけを加えた13クロム鋼とよばれるものが、よく使われている代表的なものなんだ。

ステンレスを使った電車の車体
ステンレスを使った電車の車体

ところで、ステンレスはなぜさびにくいんだろう・・・。

その理由は、じつはさびにあるんだ。ステンレスはさびないのではなく、表面にできる目に見えないほどのうすいさびの膜が、内部をそれ以上さびさせないように保護しているというわけなんだ。つまり、さびがさび(ど)めの役目をして、ステンレスをさびにくいものにしているということなんだね。

金属をさびから守るには、その原因となる空気中の酸素や水分を金属に直接ふれさせないようにすればよいわけで、それにはペンキや油をぬったり、トタンやブリキのようにメッキをするなど、いろいろの方法があるけれど、ステンレスのように、さびの性質を利用してさびを防ぐのも、その方法のひとつなんだね。

このような性質のさびはステンレスのほかにも、アルミニウム、鉄(黒さび)、亜鉛、鉛などでも見られ、これらの金属をさびにくくするのに利用されているんだ。

 
表面積とさび

このように、金属をさびから守るには、その表面をほかの物質でおおい、空気に直接ふれさせないようにすればいいんだけど、そうでない場合でも、空気のふれる面積をできるだけ少なくすることによって、さびにくくすることはできるんだ。

表面がなめらかだとさびにくい
同じ金属でも表面がなめらかだとさびにくい

同じ量の鉄でも、一方が1個のかたまりで、もう片方がこなの場合とでは、当然こなのほうが表面積が大きく、それだけさびやすいのと同じように、同じ鉄のかたまりでも、表面がなめらかにみがかれたものと、ざらざらしているものとでは、ざらついているもののほうが表面積が大きく、さびやすいということなんだ。これがQ17の答えだ。

つまり、金属の表面をできるだけなめらかにみがいておくことも、その金属をさびにくくするひとつの方法だということなんだね。

 
酸化したものから酸素をうばうと

これまでは金属のさびを防ぐ方法を見てきたけれど、ではいったんさびてしまった金属から酸素をうばうとどうなるのか、それを鉄のさび(酸化鉄)の例で見てみよう。

ここでひとつの実験をしてみよう。

酸化鉄のこなに、鉄よりも酸化しやすいアルミニウムの粉末を混ぜて点火すると、いきおいよく燃えあがる。このとき酸化鉄はアルミニウムによって酸素をうばわれ、もとの鉄にもどる。このように、ある酸化物から酸素をうばう反応を「還元(かんげん)」といっているんだ。この実験でいえば、酸化鉄はアルミニウムによって還元され、もとの鉄にもどったというわけなんだ。ではアルミニウムのほうはどうなったんだろう。アルミニウムは還元とは逆に、燃焼によって酸化鉄のなかの酸素と化合して酸化アルミニウムになる、つまり酸化されたということなんだ。

このように、酸化と還元は別々の化学反応ではなく、いつもいっしょにおこっている化学反応なんだ。

 

酸化防止剤
油のいやなにおい

酸化するのは金属だけじゃないよね。たとえば、てんぷらなどに使う植物油を空気中に長く出しておくと、いやなにおいがして、すっぱくなるのも酸化だね。

植物油の場合には、ジブチルヒドロキシトルエンなどを加えると、その酸化を防ぐことができる。このように、食品をはじめ、石油やゴムなどの酸化による変質を防ぐために加えられる物質が、酸化防止剤といわれるものなんだ。